純情ロマンチカ

兄の孝浩の勧めで有名小説家で友人の宇佐美秋彦に家庭教師をしてもらうことになった高3の高橋美咲。
けれどお金持ちの家系で有名な秋彦の豪華な経歴とは逆に、彼は自分と孝浩のBL小説を書いていました。
このホモ小説家!と秋彦を罵倒する場面は、普通の高校生のリアルな反応っぽくて思わず笑ってしまいます。
結局は秋彦に手を出されてしまい、2人の第一印象は最悪なものでした。
けれど秋彦は一途に孝浩に純粋な想いを抱いている所や、美咲は兄の為に難関大学に挑戦しようとしている所にお互いが認め合い歩み寄っていきます。
秋彦は単に大人の男というわけではなく、家事の類が一切出来ず、更に大のくま好きだったり、どこか憎めないキャラクターで魅力的です。

一方の美咲は両親を事故で亡くした原因をずっと自分の責任だと思い込み、兄のために、そして秋彦のために、時には自分の想いすらも押し殺す所に胸が痛くなります。
自分が傷つくという感情すらも押し殺すところは、切なくて胸がきしみました。
一般人である美咲と、上流階級育ちの有名人という秋彦の少しズレた“普通”の感覚も見所です。
何年間も片思いを抱えていた秋彦に、孝浩が結婚の報告をする場面がありますが、何とも言えないやるせなさがこみあげてきて、それを美咲が代弁して泣いてくれて思わず一緒に涙を流しました。
人の気持ちに敏感な美咲だからこそ、秋彦を守る言葉が出てきたのではないかと思います。
そんな美咲を愛しいと、孝浩よりも大事にしたいと思う秋彦の気持ちも垣間見えて素敵でした。
純情だからこそもどかしくて、少しずつ成長していく恋愛模様は、BL初心者さんにもお勧めの作品です。