銀の匙~Silver Spoon~

進学校から一転農業高校に進学した八軒勇吾の奮闘記。馬や牛、豚、鶏といった家畜とのふれあいや命の大切さ、食とはなにかなど、考えさせられる内容もありつつ、基本的にはほのぼのと話が進みます。
私が思い入れのあるキャラクターは二人。
駒場一郎と西川一です。駒場は、八軒が思いを寄せる御影アキの幼馴染。
といっても、三角関係が始まる……というわけではないところが、『銀の匙』の、そして荒川弘さんの漫画の良さではないかと思います。
駒場は父親の残した牧場を、自分がプロ野球選手となることで再興することを自分の夢として掲げています。

しかし、そんな彼の目の前にも強大な壁が立ちはだかります。
そのときの高校の同級生たちの言動、なによりも八軒と駒場の暑苦しすぎない友情がとても好きです。
もう一人の西川一くんは、シリアスなシーンにはあまり登場しないのですが、主人公の八軒と同室、ジャガイモ農家の後継ぎと二次元オタクという二面のキャラクターでじわじわと来る笑いを醸し出しています。
その他にも一人一人のキャラクターが光を放っているこの漫画、ぜひご一読ください!

服従宣言

織田nonさんの代表作で人気のある服従宣言。
名前からしてやばいですが人の心の葛藤が描かれておりとてもお薦めです。
人生は駆け引きの連続だということを教えてくれます。

専業主婦の女性が主人公なのですが、いきなり過去の写真をネタに脅された後から始まります。
こういう時はうまく切り返すのが世の中を渡っていくために必要なスキルなのですが、彼女にはそれがなかったようです。
過去の写真を出された時点で立場が弱くなってしまっているのに、対策を立てずに相手の言いなりになってしまった事で更に立場が弱くなってしまったのです。
しかし、これだけでは服従宣言を出すほど追い詰められているとは言えません。

確かに彼女は結婚していますが、写真自体は結婚前のものなので夫をうまく説得することも可能だったはずです。
しかし、彼女はそれができずに自分一人で問題解決を図ってしまいます。
それこそが脅してきた側の目論見通りだったのですが。

大抵の場合、相談相手もなく一人で解決しようとすると事態はどんどん悪い方向に進んでしまいます。
彼女はそれを知ってか知らずか、自分一人を犠牲にすることで解決しようとします。
彼女が出した条件は毎週金曜日は好きにしていいというもの。

過去の写真1枚の対価としては高すぎる気もしますが、彼女の価値観の中ではそれが最大の譲歩だったのでしょう。
こうして毎週金曜日は彼女にとって悪夢の日となります。
毎週のように繰り返される狂宴は次第に彼女を理性を削り取っていきます。
そして遂に落ちてしまった彼女は服従宣言をしてしまいます。

ここまで来てしまうと後はもうブレーキとなるものはありません。
落ちた彼女を夫が見つけるのには時間はかかりませんでした。
これこそが彼女が最も守ろうとしたものだったのですが、落ちた彼女にとってはもう価値はなくなっていたのかもしれません。
服従宣言とはそれほどまでに価値観を逆転させてしまう怖いものだなぁと思ってしまいます。

それにしても、脅してきた側はどこで彼女の過去の写真を手に入れたのか、それも気になります。
もしかしたら、彼女を落としたい黒幕がいたのかもしれませんが、それは作中では語られていません。
もし続編の服従宣言2があるなら、そのあたりの話も描いて欲しいですね。

動物のお医者さん

佐々木倫子の代表作でもあるこの作品。以前、テレビドラマ化もされて名前を耳にしたことがある人もいると思いますが、とってもオススメです。
もう20年前の作品ですが、今読んでも絶対に面白いと断言できる作品です。

おおまかなあらすじは、主人公の西根公輝(ハムテル)が親友の二階堂と共に、変な人と沢山の動物に囲まれながら獣医学部で獣医を目指す、というもの。

ハムテルの相棒がハスキー犬の女の子、チョビ。
顔は般若のようだけど、とても可愛い子です。
このマンガの大きな特徴が、動物達の感情が文字にして書かれているところ。
実際に動物と会話している訳ではないのですが、まるで会話しているかのように物語が展開していきます。
そこがファンタジーではなくリアルさを保っているので、万人受けする作りになっていると思います。

単行本では12巻出ていますが、どこから読んでも面白いです。
面白くて他の巻も読みたくなるので、是非1巻から読んでみて下さい。可愛い動物の表紙が目印です。

薫りの継承

大企業の社長である兄と、レストランを経営する義理の弟の禁断の恋が、美しいタッチで描かれています。上巻・下巻の全二巻です。

見所を2つ紹介します。
1つ目は、中村先生の麗しいイラスト。中村先生の画風は、華やかで妖艶で儚い印象を受けます。
それが、禁断の恋という今回の作品テーマによく合っていると思います。
彼女にしか描けない作品だと言えるでしょう。

2つ目は、弟が兄の妻のふりをして兄の寝所に忍び込むシーン。
そのとき、兄は目の周りに軽い火傷をしており、目に包帯を巻いた状態でした。
兄の妻の持ち物であるレースの手袋とオードトワレをまとった弟が、目隠しされた状態の兄に触れる場面は、ぞくぞくするほど官能的です。
フェティシズムを刺激される名シーンですね。
初エッチの相手は妹でも、妹の薫が彼女のふりをして寝床に忍び込むシーンがありますが、それと同じように背徳感溢れるシーンです。

2人の秘密の関係は、学生時代から始まり長いこと続きますが、やがて衝撃の結末を迎えます。
2人を待ち受けるのは破滅か救済か、続きは漫画で直接確かめてください。

【最遊記REROAD】

峰倉かずや先生が描いている最遊記シリーズの第二部にあたる漫画です。
大まかなストーリーは西遊記と同じですが、細かな設定やキャラクターの性格・特徴などはオリジナルになっています。

第一部で旅の目的を再確認したメンバーがそれぞれの思いを胸に西の天竺を目指して再出発するのですが、第二部は玄奘三がもっている闇が大きく物語にかかわってきます。普
段は最高僧なのに銃は撃つし肉は食べるし酒は飲むし、おまけに口が悪く口癖が「殺す」という、原作とは全く違う三蔵法師ですが、芯が強く様々な困難にもひるむことなく立ち向かっていきます。
天真爛漫な孫悟空、女好きな沙悟浄、優しく保護者的立ち位置の猪八戒と四人で、ジープに変身する白竜に乗って旅を続けていきます。

ストーリーもほぼオリジナルなので展開が楽しいのですが、原作との違いを意識してみるのも全く違って楽しめるかと思います。
男性向け・女性向けで分けるなら女性向けになりますが、男性でも十分楽しめる内容です(単純にイケメンが多いという)。
第一部の最遊記、彼らの前世を綴った最遊記外伝、現在販売中の第三部である最遊記REROADBRASTとも合わせて読んでもらいたい作品です。

papa told me

小学生の女の子と、そのお父さんとの父子家庭の漫画です。
大笑いするような場面は数少ないですが、涙がホロリとこぼれる、そんな漫画です。

お父さんの的場信吉は作家で、亡くなった奥さんをずっと愛していて、毎日の生活の中でも心には常に奥さんが住んでいて、彼が奥さんの事を思い出すシーンはとても物悲しくて、とても美しい思い出です。
娘の知世ちゃんはとても賢く好奇心いっぱいのかわいい子ですが繊細で、ずいぶんと大人びていますが生意気ではなく、心の優しい子供です。
そんな二人の周りには色んな子供や大人がいて、問題を提議するものの特に解決もせず終わったりと、実社会であり得る場面が出てきます。
寂しいことが素敵なんだと思える人、寂しいのは可哀想な事なんだとおせっかいをする人、どちらも善で悪で、でもそれでいいんだという事を全体的にまるで詩的な表現で描かれています。
物語や登場人物の会話も上品で読んでいると自分も上品になる気がします。
的場家のインテリアや食事風景、知世ちゃんの洋服といった細部にもお洒落が施されています。

【シティーハンター】

週刊少年ジャンプに1985年13号-1991年50号まで連載。
シティーハンター2・シティーハンター3・シティーハンター’91と続く任期漫画です。

アニメもテレビ放映されて、ファン層はとても多かったです。
粗筋-場所は日本で主人公は冴羽良・家業は殺しとボディーガードである。
無類の女好きですぐにもっこ利するが、巣無いパーとしては超一流です。
槇村香助手には助手で良の昔の相棒の妹で、良がもっこりすると大型トンカチで殴り倒します。
依頼者はほとんど美人で良がめろめろになり、それを香が手を出さないように見張るのがおおむねの始まり方です。

しかし、女好きのギャグに隠れてシリアスなスナイパーとしての判断力を見せるのが魅力的なシーンです。
Hはそうな漫画ではありますが、あまり裸のシーンは出てこなく、小学生でも安心して見れる漫画です。
もともとはハードボイルドだったのですが、途中からギャグを入れたのがヒットしたそうです。
私はもっこりシーンよりも、スナイパーどうしの対決や、頃師やとボディガードの攻防戦が大好きです。
しかし、日本なのに簡単に銃が出てくるのが国籍不明のイメージがあります。
地下に武器庫があるのですが、女警察官も何も言いません。
それどころか依頼することもあるので見る時はスチュエーションをあまり気にせず見た方がいいです。
私の好みなシーンで生み坊主(海坊主(ファルコン)が目を悪くして喫茶きゃっつあいの女助手がかばって戦うシーンがあります。
美人の彼女が海坊主を好きなのがミスマッチで気に入っています。
この漫画で初めて用兵という言葉を知りました。
中東などで雇われ兵というプロの兵隊がいることを知った漫画で、知識と視野を広げてくれたマン化です。

【どうしても触れたくない】

とても切なくて、なかなか前に進めない主人公の嶋俊亞紀とその上司外川陽介のお話なのです。
嶋は以前働いていた会社でのトラウマを抱えたまま転職をして、外川はとても悲しい過去を持っています。
そんな2人が出会い、お互いを意識し始めます。
トラウマから一歩を踏み出せない嶋は好きになってしまった外川への気持ちを一生懸命抑えようとしている様が切ないです。
上司の外川の転勤が決まり、嶋は過去に拘るあまり最悪の形で外川の好意を断るのです。
それから彼が自室で泣き崩れているシーンと、外川が転勤してからふと自分のデスクの引き出しに入っていた外川のタバコを見つけた後のシーンは涙なしでは読み進められません。
でも、その降の嶋の行動には胸がキュンキュンさせられてしまうくらい良いです。
そして、最後はハッピーエンドになるのですが、この終わり方私は好きです。
読み始めからどうなるんだろうかという不安がありましたが、最後がちゃんと収まっていてホッとして読み終える事ができるお話でした。