服従宣言

織田nonさんの代表作で人気のある服従宣言。
名前からしてやばいですが人の心の葛藤が描かれておりとてもお薦めです。
人生は駆け引きの連続だということを教えてくれます。

専業主婦の女性が主人公なのですが、いきなり過去の写真をネタに脅された後から始まります。
こういう時はうまく切り返すのが世の中を渡っていくために必要なスキルなのですが、彼女にはそれがなかったようです。
過去の写真を出された時点で立場が弱くなってしまっているのに、対策を立てずに相手の言いなりになってしまった事で更に立場が弱くなってしまったのです。
しかし、これだけでは服従宣言を出すほど追い詰められているとは言えません。

確かに彼女は結婚していますが、写真自体は結婚前のものなので夫をうまく説得することも可能だったはずです。
しかし、彼女はそれができずに自分一人で問題解決を図ってしまいます。
それこそが脅してきた側の目論見通りだったのですが。

大抵の場合、相談相手もなく一人で解決しようとすると事態はどんどん悪い方向に進んでしまいます。
彼女はそれを知ってか知らずか、自分一人を犠牲にすることで解決しようとします。
彼女が出した条件は毎週金曜日は好きにしていいというもの。

過去の写真1枚の対価としては高すぎる気もしますが、彼女の価値観の中ではそれが最大の譲歩だったのでしょう。
こうして毎週金曜日は彼女にとって悪夢の日となります。
毎週のように繰り返される狂宴は次第に彼女を理性を削り取っていきます。
そして遂に落ちてしまった彼女は服従宣言をしてしまいます。

ここまで来てしまうと後はもうブレーキとなるものはありません。
落ちた彼女を夫が見つけるのには時間はかかりませんでした。
これこそが彼女が最も守ろうとしたものだったのですが、落ちた彼女にとってはもう価値はなくなっていたのかもしれません。
服従宣言とはそれほどまでに価値観を逆転させてしまう怖いものだなぁと思ってしまいます。

それにしても、脅してきた側はどこで彼女の過去の写真を手に入れたのか、それも気になります。
もしかしたら、彼女を落としたい黒幕がいたのかもしれませんが、それは作中では語られていません。
もし続編の服従宣言2があるなら、そのあたりの話も描いて欲しいですね。